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酒鮮コンセプト

  • 2014-01-11 (土) 14:52

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酒鮮とは? 公式A 舌にかなう酒+新鮮な食×空間と話術の演出 = 酒鮮 公式B 酒鮮 = (楽しく酔う 楽酔 - ただの酔っぱらい) × 心が鼓動する知的情報

「酒鮮」とは、旨い酒をより美味しくお召し上がりいただくためのトータルコンセプトです。

日本酒と照明

「酒鮮(しゅせん)」とはもともと、「日本の酒類を知り、楽しみ、地元の新鮮なお魚と合わせることでその旨さをさらに体感していただきたい」という思いで開発したコンセプトでした。当初、「酒仙」と「新鮮」を組み合わせた創造語として生み出し、私、古田が経営する宿「酒鮮の宿まるやす」にて宿名に取り入れ、実践してきたものです。その結果、景色も良くない、温泉もない小さな宿に、全国初となる「日本酒ソムリエのいる宿」という強みを生み出すことができました。

また、数々のお客様とカウンター越しに接する中で、単に味という面だけでなく「お客様はソムリエとの会話を目的に来店されている」ということに気づきました。後述しますが、私自身が根っからの旅好きで、旅人が喜ぶネタを多く仕入れた上で接客に望んでいるからです。その会話を一つのキーワードで表すとすれば「知的好奇心をくすぐる」こと。大人の愉しみを演出する秘訣は、味というものを脳からも味わうことだったのです。

 私はこの「酒鮮」というコンセプトをその後も徹底的に磨き、地元である京都・丹後地方でのまちづくりへと積極的に応用してきました。その中で、またワンランク上の視点から、この酒鮮というコンセプトの本質が観えてきたのです。それは、

旨い酒はある。酒が美味しく飲める空間が欲しい。

日本酒

日本酒蔵は2013年現在、約1200蔵ありますが、どの蔵も「まずい酒をつくろう」と考えてなどいません。どの蔵も、独自の思いで懸命に酒造りに励んでいます。
その思いを知った上で、「この酒は旨い、この酒はまずい」と、単純に評価できるでしょうか?

そうではなく、酒ごとにある思いと個性を最大限に活かし、どういった料理と合わせるのか、どういったタイミングで飲む酒なのか、そして、どういった演出に合う酒なのか、を洞察することで、最高のお客様満足につながっていくことに気付いたのです。

宿泊業経営者の皆様、日本には、旨い酒は数多くあります。重要なのは、「お酒を美味しく飲める演出」です。その演出が、売上や利益、顧客満足を生み出すのです。

酒鮮コンセプトによって、お客様が楽しく酔える素晴らしい空間を提供しませんか?…ただし、酒鮮のもう一つの魅力は、旅人の知的好奇心をくすぐること。やけ酒のプロデュースは禁物です。

顧客満足度を高める「味」とは?

食 お酒 合わせ方 ものづくり背景 人と物語性 すべてを含んで味わいとなる

宿泊業経営者にはお酒と料理の出会いを演出することはもちろん、酒や食を造る人、味わう人など様々な出会いを演出し、お客様の旅をプロデュースする力が必要です。

その、「旅をプロデュースする力」とは一体なんでしょうか?そこに難しい理屈など必要ありません。接客する人が、お客様の旅を共に楽しんでいるかどうか。それに尽きます。

お客様が感じる「味」は、お酒や料理の味だけではありません。酒と食を合わせる相乗効果はもちろんのこと、そこに関わるものづくりの背景や、人の物語性、すべてを含めて「味わい」として認識されるものです。酒鮮とは、こうした物理的な味以外の部分を含め、酒のシーンを総合的に演出するコンセプトです。

私がこのコンセプトに辿り着いたのは、やはり、私自身が「旅好き」という点にルーツがありました。旅人が何を求めているか?それが感覚的に染み付いていたのです。

小学5年生の北海道一人旅

seikan 私は昭和48年、小学校5年生のとき、親元を離れて北海道への一人旅に出かけました。

私が旅の目的としていたのは、当時まだ北海道に残っていたSLです。現役で走っているSLを、どうしても見たかったから、親と先生を説得しました。当然のことながら大反対された末、なんとか「親がOKだったらいい」という話になり、証明書を書いてもらうことに。

母に住所の書いた紙と5000円札をパンツに縫い付けてもらい、京都丹後から25時間以上かけて一路北海道へ。途中京都駅の立ち食いそば屋と当時の新鋭客車12系急行きたぐに車中で2回補導されそうになりました。その時、書いてもらった証明書が役だったのです。

北へと向かう急行きたぐに車中での見知らぬ人たちとのふれあいと青函連絡船でのいかそーめん、名も無い岬からの絶景。今でも忘れられません。

ユースホステルから観光地そしてユースホステルを旅してまわる行く先々で、「少年、少年」と呼ばれます。その年齢で一人旅している人など他にいなかったのです。

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ユースホステルで出会ったお兄さん、お姉さんたちが、たくさんのことを教えてくれます。あそこの夕日がきれいだよ、あそこの景色が最高だよ、その言葉にときめく自分がいました。

誰も車で来ている人はいません。旅の人と一緒に切符を買い、バスや電車で体験を繰り返していく。

…私が実家の民宿を、旅人をプロデュースする宿として成長させたかった原点は、この小学5年生の一人旅にありました。私はその後も、歩いて感じる旅を何度も経験しています。

「動いて感じる」の大切さ

私の素地は、この一人旅のときに出来たと確信しています。その素地とは、「動いて感じる」ことです。

人の話に騙されるな。自分の目と足、感覚で感じることを信じよう。

…30代の頃飲んでいたお酒。「こんなに美味しいお酒はない!」と思っていた酒の蔵が、その後倒産。日本酒好きの間では知る人ぞ知る蔵でした。なんであそこが潰れるの?と。

酒器

日本酒業界の難しいところです。旨いかどうか、本物かどうかではなく、名前の知られているお酒が売れている現状。美味しさってなんだろう、と、その時から考えるようになりました。

その結果、生み出してきた概念が、酒と食を「合わせる」ということであり、「一緒に愉しむ」という考え方でした。お酒は、お酒だけで単体で呑んで旨いものではない。美味しいお酒を、より美味しく飲むには?という概念が芽生えました。

 そう思い始めた後、私は全国の蔵を訪ねてまわり、様々な話を聞き出すようになりました。27歳の頃です。

自分の足で歩き、自分の目と舌で確かめる。

そうでないと、本当の魅力が分からない。居酒屋で酔っぱらいのおっちゃんから聞いた情報が、お酒の正しい情報とは到底思えない。

だから私は、ソムリエとしての資格を正式に取得し、旅人に確かな情報を伝えられるようになるべきだ、と使命感を感じたのです。

実際、宿泊業のアイテムを扱う者として、これほどまでに和食に合うものはない!それなのに、例えば刺し身のような食にも、「とりあえずビール」になってしまっている現状があります。繊細な香りの食に、ビールほど苦いものを当てるのは、本当に勿体ない。和のテイストへの使命感を感じます。

共に動いて感じましょう。実践を重ね、酒と食の演出をまず愉しむことが、旅人への価値の提供の第一歩です。そのために、ノウハウをどんどん提供したいと思っています。

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